そこから青い闇がささやき ─ベオグラード、戦争と言葉
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山崎佳代子サンのエッセイ。空爆の毎日で紡がれる言葉に息を呑む。生々しいとかではなく、切実、みずみずしい、繊細。どことなく焦点のぼやけた感じの文体が面白いけど、読みやすいかというとそうでもないと思う。詩的というのだろうか。戦争は本当に最悪だ。 「最初は、死者が名前で知らされる。それから数になる。最後には数もわからなくなる…」。旧ユーゴスラビア、ベオグラード。戦争がはじまり、家、街、友人、仕事…人々はあらゆるものを失っていく。そして、不条理な制裁と、NATOによる空爆がはじまった。日本への帰国を拒み空爆下の街に留まった詩人が、戦火のなかの暮らし、文学、希望を描くエッセイ集。